ポリフォニー 「音楽・歴史・チケット」

複数の異なる動きの声部(パート)が協和しあって進行する音楽のこと。

ただ一つの声部しかない「モノフォニー」の対義語として、多声(部)音楽を意味する。音楽史上では中世西洋音楽期~ルネサンス期にかけてもっとも盛んに行われた。

ただし、多声音楽そのものは西欧音楽・西方教会音楽の独創ではなく世界各地にみられるものであり、東方教会においてもグルジア正教会は西方教会の音楽史とは別系統にありながら多声聖歌を導入していた。

ポリフォニーは独立した複数の声部からなる音楽であり、一つの旋律(声部)を複数の演奏単位(楽器や男声・女声のグループ別など)で奏する場合に生じる自然な「ずれ」による一時的な多声化は「ヘテロフォニー」と呼んで区別する。

なお、西洋音楽では、複数の声部からなっていてもリズムが別の動きでなければポリフォニーとして扱わないことが多く、この意味で「対位法」と重複する部分を持つ。

また、とりわけ西洋音楽において、複数の声部から成るが一つの旋律と和音伴奏に別れる「ホモフォニー」の対義語としても使われる。

ポリフォニーには「ホモフォニー」のような主旋律・伴奏といった区切りがなく、どの声部もほぼ同等の比重で絡み合う。

ポリフォニーは各声部の旋律の流れに重点をおいており、和音や和声は従属的に生まれたものといえる(独立した旋律の集合体として作られるポリフォニーでは、和音は、各声部の旋律のその瞬間の一音が重なりあって一つの和音として聞こえると考えることが出来るため。)。

文学においては、ミハイル・バフチンが『ドストエフスキーの詩学』において、ドストエフスキーの作品を「ポリフォニー」の語を用いて分析している。
update:2010年01月28日