地上とはかけ離れた世界と

考えられていた宇宙における諸現象に、地上と同様の物質の運動法則を適用しようとしたときから、宇宙物理学は始まった。

その萌芽は遠く4~5世紀のギリシアにさかのぼる。

ガリレイが月の表面が鏡のように滑らかではないことを示す反射の考察を行ったり、ハーシェルが星の分布を調べて宇宙の形を求めようとした姿勢は、すでに宇宙物理学であったといえる。

しかし、宇宙物理学の本格的な開始は、19世紀における物理学の大きな発展をまたなければならなかった。

キルヒホッフらによる分光学の確立によって、遠い恒星や星雲の組成、運動、物理状態の詳しい研究が可能になり、天文学は「天体物理学」へと飛躍的発展を遂げた。

電磁気学、熱力学、さらに20世紀に入っての原子物理学、量子力学の発展は、宇宙における多様な現象の解明にすばらしい威力を発揮した。

とくにA・アインシュタインによる相対性理論は、われわれが知る限りの世界としての「宇宙」を総合的に把握しようとする試みに火をつけ、真に「宇宙物理学」とよべる体系が築き上げられてきた。
update:2010年03月06日